オーストラリアのタックスリターン攻略ガイド|ワーホリの税金・還付・居住者判定【2026年版】
オーストラリアでワーホリ中に働くと、給料から税金が天引き(源泉徴収)されています。その払いすぎた税金を取り戻す手続きがタックスリターン(Tax Return=確定申告)です。やり方次第で数十万円相当が還付されることも珍しくありません。
この記事では、税務年度・申告期限・ワーホリと居住者で異なる税率・年収別の還付の目安・申告のやり方まで、実体験をもとにわかりやすく解説します。
⚠️ 本記事は一般的な情報のまとめです。税率や制度は変更されることがあり、居住者判定など個別の取扱いはATO(オーストラリア国税局)や登録税理士(registered tax agent)にご確認ください。最新の正確な情報は ATO公式サイト で確認できます。
タックスリターンとは?
タックスリターンは、1年間の所得と納めた税金を申告し、払いすぎた税金を還付してもらう(または不足分を納める)手続きです。オーストラリアでは給料からその都度税金が天引きされていますが、多くのワーホリはこの天引き額が本来の税額より多くなっているため、申告すると差額が戻ってきます。
オーストラリアの税務年度(financial year)
日本の年度(4月〜3月)と違い、オーストラリアの税務年度は7月1日〜翌年6月30日です。たとえば「2025–26年度」は2025年7月1日〜2026年6月30日を指します。この1年間の収入をまとめて、年度終了後に申告します。
タックスリターンの期限
自分で申告する場合の期限は、税務年度終了後の10月31日です(例:2025–26年度=2026年6月30日終了 → 期限は2026年10月31日)。
登録税理士(registered tax agent)に依頼する場合は期限が翌年まで延長されることがあります。ただし、10月31日までに税理士へ登録・依頼しておく必要があります。
ワーホリの税率(Working Holiday Maker rates)
ワーキングホリデービザ(subclass 417/462)で働く人には、原則「ワーホリ向け税率」が適用されます。日本の基礎控除のような非課税枠がなく、1ドル目から15%かかるのが特徴です。
カフェやファームなど、現地で働いて得た給料はすべて申告対象です。仕事探しは仕事の探し方、セカンドビザ向けのファームジョブ体験談もあわせてどうぞ。
| 課税所得(AUD) | 税率 |
|---|---|
| $0 – $45,000 | 15% |
| $45,001 – $135,000 | 30% |
| $135,001 – $190,000 | 37% |
| $190,001 〜 | 45% |
※2024年7月1日以降の税率。ワーホリ向け税率には通常Medicare Levy(医療保険税)はかかりません。
居住者扱いされた場合の税率
一方、税務上の「居住者(resident for tax purposes)」と判定されると、年間18,200ドルまでが非課税になります。この非課税枠があるかどうかが、還付額に大きく影響します。
| 課税所得(AUD) | 税率 |
|---|---|
| $0 – $18,200 | 0%(非課税) |
| $18,201 – $45,000 | 16% |
| $45,001 – $135,000 | 30% |
| $135,001 – $190,000 | 37% |
| $190,001 〜 | 45% |
日本はオーストラリアと租税条約を結んでおり、その無差別条項により、居住者と認められた日本人ワーホリは居住者税率(非課税枠を含む)の適用を受けられるケースがあります。ワーホリ税率で源泉徴収されていた分との差額が、申告によって還付される仕組みです。
※居住者は本来Medicare Levy(2%)の対象ですが、日本はオーストラリアと相互医療協定がないため、Medicare対象外としてMedicare Levyの免除を申請できる場合があります。
居住者判定について(筆者の体験)
「ワーホリ=非居住者」と思われがちですが、実際は滞在の実態で判定されます。一般に、継続して半年(183日)以上滞在し、現地で生活・就労していれば、居住者と判定されるケースが多いです。
💡 筆者の場合:1年のうち約10ヶ月オーストラリアに滞在し、シドニー→ケアンズ→メルボルンと3都市を引っ越ししましたが、それでも税務上は居住者として扱われました。引っ越しを繰り返しても、継続して現地で暮らし・働いていれば居住者と判定されうる、という一例です。
ただし判定は個々の状況によります。滞在期間・住まい・仕事の状況などからATOが総合的に判断するため、不安な場合は税理士に相談すると確実です。
年収別・還付額の目安(居住者判定の場合)
ワーホリ税率で源泉徴収されていた人が居住者として再計算されると、非課税枠の分が還付されます。年収別のおおよその目安は次のとおりです。
| 年収(AUD) | ワーホリ税率での天引き | 居住者として再計算 | 還付の目安 |
|---|---|---|---|
| $20,000 | 約$3,000 | 約$290 | 約$2,710 |
| $30,000 | 約$4,500 | 約$1,890 | 約$2,610 |
| $39,000 | 約$5,850 | 約$3,330 | 約$2,520 |
| $45,000 | 約$6,750 | 約$4,290 | 約$2,460 |
| $60,000 | 約$11,250 | 約$8,790 | 約$2,460 |
※2024–25年度税率・Medicare Levy免除・控除なしで計算した「非課税枠による還付分」の概算です。表の「還付の目安」は、ワーホリ税率での天引き額から、居住者として再計算した税額を差し引いた金額です。
実際の還付額は、これより多くなることがよくあります。仕事関連の経費などの控除や、雇用主が多めに源泉徴収していた分が上乗せされるためです。
💡 筆者の実例:昨年度は約39,000ドルの収入で、タックスリターンにより約3,150ドル(Medicare免除分を含む)が還付されました。上の表の目安(約2,520ドル)に、仕事関連の控除などが加わってこの金額になっています。
💸 還付金の受け取りはWiseが便利
還付金はオーストラリアの銀行口座(BSB+口座番号)に振り込まれます。すでに帰国していて現地の銀行口座を解約してしまった場合でも、WiseのAUD受け取り口座を使えば還付金を受け取り、そのまま手数料を抑えて日本円で日本の口座へ送れます。
Wiseの使い方を見る →タックスリターンのやり方
自分で申告する場合は、ATOのオンラインサービス「myTax」を使います。基本の流れは次のとおりです。
TFN(タックスファイルナンバー)を準備
就労開始時に取得しているはずの納税者番号です。給与明細やmyGovで確認できます。
myGovアカウントを作成し、ATOと連携
myGov(政府サービスの共通ID)を作成し、サービスとして「ATO」を追加・連携します。
Income statement(給与・源泉徴収額)を確認
雇用主がSTPで自動報告します。年度終了後(7月中旬以降)にステータスが「Tax ready」になれば確定です。
myTaxで申告内容を入力
居住者かどうか、控除(仕事関連の経費など)を入力します。給与情報の多くは自動で反映されます。
還付金の振込先口座を登録
オーストラリアの銀行口座(BSB+口座番号)を登録します。WiseのAUD受け取り口座情報も利用できます。
提出(lodge)して還付を待つ
不備がなければ、通常2週間ほどで登録口座に還付金が振り込まれます。
申告に必要なもの
- TFN(タックスファイルナンバー)
- myGovアカウント
- パスポート・ビザ情報
- Income statement(雇用主のSTP報告。myGovで確認)
- 振込先の銀行口座情報(BSB+口座番号。Wiseも可)
- 仕事関連の領収書(控除に使う場合)
よくある質問
最終更新:2026年6月 / ※税率・制度は変更される場合があります。本記事は税務アドバイスではなく一般的な情報提供です。最新かつ正確な情報はATO公式サイト・登録税理士にてご確認ください。

